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下記内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(サービスの変更、組織変更など)がありますのでご了承ください。

面付け・プランニングソリューション『PHOENIX』導入事例――上六印刷株式会社

何百点にもおよぶパッケージの付け合わせを大幅に省力化

受注から製版までの工数・作業時間が激減し、短納期対応力がさらにアップ

2018年2月7日

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(社長:辻 重紀)では、主にジョブ設計、見積り作成工程を効率化するソリューションの一つとして、カナダのTilia Labs社製面付け・プランニングソリューション『PHOENIX』(フェニックス)を販売しており、紙器パッケージ印刷、ラベル印刷の分野を中心にユーザーから高い評価を得ている。本稿では、バージョンアップを重ねるごとに着実に進化を続ける『PHOENIX』の概要と最新機能について解説するとともに、実際に活用されている上六印刷株式会社のインタビューを通じ、具体的な導入メリットを紹介する。


■PHOENIXとは

昨今、一般商業印刷のみならず、紙器パッケージ印刷の分野においても、小ロット・多品種・短納期ニーズが確実に高まっており、その中で利益を最大化するためには、リードタイムの短縮や製造コストの最適化、ミスやロスの削減が極めて重要になる。こうした課題に応えるソリューションとしてFFGSが2015年から取り扱いを開始しているのが『PHOENIX』だ。とくに、付け合わせを含むプランニング機能(コストや印刷、ポストプレス等の複雑な条件を考慮し、最適な印刷機、用紙、レイアウトの組み合わせを決定すること)が充実しているのが大きな特長であり、プリプレスの工数削減や作業時間短縮、用紙廃棄率の削減など、プランニング作業の劇的な効率化により、大幅なコストダウンを可能にする。

一般的に、プランニング作業は、1~2名の専任者が担当しており、とくに付け合わせを行なう場合は、最適なジョブの組み合わせを計算するのに多大な時間と労力を要していた。また、的確なプランニングを行なうには高度なノウハウが求められるため、属人化してしまうという課題もある。設備の稼働効率やコストなどを左右する、極めて重要な工程でありながら、生産性を高めるうえでボトルネックになってしまっているケースが少なくない。

『PHOENIX』での作業フローは、以下の通り。

  • ①MISなどからジョブ情報を読み込む
  • ②使用する用紙や印刷機、最適な付け合わせパターンなどを自動で計算
  • ③印刷時間や製造コストの見積もりも同時に作成(既存の抜き型データを登録しておけば、既存デ抜き型の再利用も含めた見積もりリストが作成できる)

サイズや用紙の種類が多岐にわたる大量の品目であっても、わずか数分で最適なプランニングを導き出すことが可能である。プランニング結果を新たな抜き型作成用のCADデータや印刷用の最終出力データとして活用することにより、製版・刷版部門においても、単面CADデータの検索や図面設計などの工数を削減することができる。

最新バージョンでは、プランニング結果に対するレイアウトの微調整、寸法線の作成といった「レイアウト編集」が行なえるようになったほか、日本特有のルールに従った用紙寸法表示が可能になるなど、さまざまな機能の追加・強化によって使いやすく進化している。

『PHOENIX』は、人の経験・ノウハウを必要とするプランニング作業を、AIを用いて自動化することにより、新たな次元の効率化を実現する画期的なソリューションであり、パッケージ印刷のみならず、最近では一般商業印刷の分野でも注目を集めている。

では、具体的にはどのようなメリットが得られるのか。化粧品などの紙器パッケージをメインに手がける上六印刷株式会社の例を以下に紹介する。

【写真】「プラン」ツールのオートギャンギング機能

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【導入事例】上六印刷株式会社

【ロゴ】上六印刷株式会社


■担当者が1日かかりきりで行なっていた「異寸法の付け合わせ」

【写真】2011年11月に竣工した奈良本社

上六印刷株式会社(本社:奈良県生駒市高山町8916-15、代表取締役社長:三島基司氏)は、UVオフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷などの多彩な印刷方式を駆使し、高級化粧品をはじめ、医薬品・食品などのパッケージを手がけており、中でも化粧品パッケージは、売上の約80%を占める主力品目である。2011年11月、現在地に新社屋・工場を開設し、それまで分散していた本社と2カ所の工場、物流センターを集約。生産機能の合理化を図った。新本社工場は、品質管理から社員教育まで含め、クライアントの厳しい要求に応える万全の体制を整えており、印刷ルームでは、温湿度管理はもちろん、エアシャワーや圧力管理などによる防塵対策も徹底している。

同社がいま、品質の追求と同時に重点課題として力を入れているのが、短納期対応だ。各工程で作業の省力化・効率化を進めており、『PHOENIX』の導入もその一環である。大田治夫取締役副社長は、導入に至った経緯についてこう語る。

【写真】取締役 副社長 大田治夫氏

「新工場立ち上げを機に、受注から製版に至るまでの、計画段階での生産性を上げるため、付け合わせによる効率化を推進することにしました。同一寸法の製品の付け合わせは以前から行なっていましたが、大口の仕事については“異寸法の付け合わせ”も採り入れることにしたのです。ただ、そこで問題になったのが、最適なレイアウトを判断するのに多大な時間と労力を要すること。同寸の付け合わせに比べて、考えられるレイアウトパターンが膨大で、しかも、台数、用紙の無駄、在庫リスクが最小となる最適な付け合わせを行なうには、紙目や印刷機のサイズ・色数、ホットスタンプの有無などさまざまな要素を加味しながら計算しなければならず、かなりの熟練を必要とします。結果、受注・計画部門の担当者2人が丸1日あるいは2日間、つきっきりで作業するという状況になっていました」

大口のクライアントからは、月に1回、まとめて発注が入る。ただ、同時期に複数社からの発注が重なるため、製品点数は都合1,000点にも上り、在庫分を除いた新規製作分だけでも300点ほどになるという。その付け合わせレイアウトを、従来は実寸の紙の上で設計し、20台~30台ほどのジョブにまとめて製版部門に渡していた。実際に付け合わせ作業を担当する業務部 受注・計画セクションの丸田公威主任は、『PHOENIX』導入前の状況を振り返り、こう語る。

「アナログの付け合わせ作業は、図面データを出力して台紙に貼り付ける、あるいは、リピートものであれば前回製作した現物を展開してマーキングするなどの方法で行なっていたため、“少し位置を変えたい”“入れ子にしたい”といった調整が必要になると、非常に手間と時間がかかっていました。しかも、紙に書いたレイアウト指示書は流用がきかないため、次回の注文の中に同じ型のパッケージがあったとしても、ゼロからレイアウトを作成し直さなければならず、非効率的だったのです」

このような状況を改善し、さらなる納期短縮を図るため、異寸法の付け合わせに対応可能なシステムを検討している中で、FFGSから『PHOENIX』の提案を受けた。

「実は『PHOENIX』を導入する前に、一時期、カスタムメイドのプランニングソフトを使用していたのですが、入れ子面付けができないなど、機能的に不充分なところがあり、これを改良して使い続けるか、まったく新しいシステムに切り替えるかを検討していました。ちょうどそのときに『PHOENIX』の提案をいただいたのです。2016年末から3カ月ほどテスト運用した結果、私どもが望む要件をかなりの部分、満たせることが確認できたので、正式に導入を決めました」(大田副社長)


■付け合わせにかかる工数が半減、リピートの仕事ではとくに効果大

同社の『PHOENIX』を使ったフローは、以下のような流れだ。まず、クライアントからEDIやメールなどのさまざまな形で注文を受け、その受注情報は社内の基幹システムに集約。受注・計画セクションで在庫の確認やグルーピングなどを行ない、付け合わせの対象となるジョブの情報をCSV形式で書き出し、線画データ(展開図)とともに『PHOENIX』にインポートする。『PHOENIX』で作成されたレイアウトデータは、必要に応じて微調整を加えたうえで、版下データを貼り込んで製版・分版する。

大田副社長によると、付け合わせ対象のデータを抽出してからレイアウトデータを製版部門に渡すまでの工数は、『PHOENIX』の導入によって半減しているという。

【写真】

「平均すると、従来の4人日から、2人日程度まで省力化できていると感じています。付け合わせにはいろいろな選択肢があり、できるだけ台数を減らして作業効率を上げたい場合もあれば、紙の無駄を減らすことを優先したい場合もあります。したがって、『PHOENIX』のレイアウト結果がつねに最良の選択肢であるとは限らないので、最終的な判断には人が介在しますが、その一つ手前までを自動化できたことは大きな成果ですね」

実際に『PHOENIX』を使用している業務部 受注・計画セクションの野口勝利氏は、最もメリットを感じる点として「在版データを流用できること」を挙げる。

「以前は紙ベースで付け合わせを行なっていたので、リピートの場合でも、現物のコピーを展開して台紙に貼り付けるという、新規の場合と同じ作業を繰り返さなければなりませんでしたが、『PHOENIX』では、一度データを用意すれば、リピートの際にそのデータを読み出して再度利用できるので、大幅な時間短縮になります。また、レイアウト結果に対して、位置の変更や反転などの調整がデータ上で瞬時にできるのも、アナログ作業から大きく変わった点ですね」

大田副社長も、「在版データ流用の場合で比較すると、付け合わせにかかる時間は従来10分の1程度、あるいはそれ以下になっているのではないか」と、時間短縮効果の大きさを強調する。

一方、同セクションの中村一夫氏は、『PHOENIX』の活用によって“作業のやり直し”がなくなったことも効率化に寄与していると語る。

「以前は、作成したレイアウト指示を製版部門に渡すと、『これでは刷れない』と戻されてしまうことがありました。図面としては成立していても、実際には印刷しにくかったり、加工の難易度が上がってしまったりするケースもあるのです。『PHOENIX』では、限界となる値をあらかじめ設定しておけば、“刷れないレイアウト”が作成されることはありません。ですから、製版側に渡してからの後戻りがほとんどなくなりましたね」

「アナログの付け合わせでは、不慣れな担当者が誤って“存在しない寸法の紙”を指定してしまい、やり直しになることもあったのですが、『PHOENIX』では、紙ごとに寸法を登録しておけるので、使えない紙寸を指示してしまうというリスクがなくなりました」(丸田主任)

さらに、大田副社長は、部門全体の体制に関わるメリットとして、「熟練の必要がなくなったことも大きい」と評価する。

「微調整なども必要になりますので、“誰でも簡単に”とはいきませんが、かなりのスキルレス化が図れていることは確かです。担当者が休んだ場合でも代わりの者が『PHOENIX』で作業を進めるなど、より柔軟に対応できるようになりました。将来的に『PHOENIX』を複数台体制に拡張し、受注・計画部門の全員が操作をマスターすれば、大量の仕事が集中した際にも分散作業によって短納期対応が可能になります」

操作性については、実際にオペレーションを行なっている野口氏も、「アイコンなどがわかりやすく、直感的に操作できるので、比較的すんなりと使いこなせるようになった」と実感を語った。

【写真】


■納期1日の違いが受注の成否を左右する

納期短縮においてネックとなっていた付け合わせ工程の大幅な効率化を果たした上六印刷。しかし、大田副社長は「まだまだ合理化の余地は残っており、これが最終ゴールではない」と気を引き締める。

「『PHOENIX』によって、人に依存する作業がかなり削減できましたが、今後はその前後の工程についても、可能なところから自動化を進めていく計画です。たとえば、受注してから『PHOENIX』にデータを流し込むまでに、グルーピング、フィルター処理などで人手がかかっているので、いかに効率よく、付け合わせ対象品目を絞り込めるか。こうした課題を一つひとつクリアしていき、上流から下流まで、よりシームレスにジョブを流せる体制を確立したいと考えています」

化粧品パッケージも他の印刷物と同様、短納期要求が確実に厳しくなっていることから、上六印刷では今後も「他社に負けない短納期対応力」を最大の強みとして伸ばしていく考えだ。拠点を集約し、生産効率を追求してきた結果、現在はリードタイムを2週間まで短縮しているが、さらなる瞬発力アップに向け、大田副社長は意気込みをこう語った。

「パッケージ製作ではこれまで1カ月ほどの納期が一般的でしたが、最近は1日縮められるかどうかが勝負で、それが受注の決め手になることも少なくありません。ですから、生産現場でも計画部門でも、これからさらに詰められるところを詰め、無駄を省き、リードタイム短縮を追求していきます」(大田副社長)

【写真】左から、業務部 受注・計画セクション 野口勝利氏/製造部 製版課 高橋実氏/業務部 受注・計画セクション 中村一夫氏/同セクション 主任 丸田公威氏

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社 広報宣伝部
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