株式会社三戸印刷所
企業概要

長らく、官公需を柱とする「文字物」を中心に手掛けてきたが、近年、事業のウェイトはカラーの商業印刷物へと大きくシフト。パンフレットやカタログなど、高い品質を求められる仕事も増えている。こうした状況を受けて今年5月、i-ColorQCを導入し、自社機器の分析、一貫した色基準の策定に着手。それが完了した7月末に、CTP、DDCPを本格稼動させ一気にワークフローのデジタル化を図った。
(2004年10月取材)
| 会社名 | 株式会社三戸印刷所 |
|---|---|
| 代表者 | 三戸俊彦 氏(代表取締役社長) |
| 創業 | 大正15年11月3日 | 従業員数 | 59名 |
| 所在地 | 秋田市旭北錦町3-50 |
![[写真]三戸俊彦 氏](pack/images/index_img_02.jpg)
三戸俊彦 氏
代表取締役社長
![[写真]阿部幸基 氏](pack/images/index_img_03.jpg)
阿部幸基 氏
工場長
![[写真]佐藤正己 氏](pack/images/index_img_04.jpg)
佐藤正己 氏
印刷部
部長
![[写真]橋本敏宜 氏](pack/images/index_img_05.jpg)
橋本敏宜 氏
プリプレス部
部長
インタビュー
i-ColorQC導入のねらいは?
三戸社長
当社の大得意先で、色に対して非常に厳しい制作会社があるんですが、i-ColorQCはこの1社のために導入したと言っても過言ではありません。以前から、要求される色がなかなか出せず、苦労していたんですね。色校正の段階でいくつもクレームがついてしまう。ですから、何とかして、この制作会社に納得していただける印刷物を、つねに安定して納められるようにしたい、と考えていたんです。
阿部工場長
これまでも、カラーマネージメントのツールを導入して、独自に対処を試みてはいたのですが、フィルムを介したワークフローだったこともあって、変動要因が多い上、「色の定規」がないまま、印刷の色を色校正に無理やり合わせるというやり方をしていたために、なかなか上手くいかなかった。そんなときに、FFGSさんからi-ColorQCのご提案をいただいたんです。
色基準確立までの経緯は?
三戸社長
やはりフィルムを介したワークフローではだめだということで、まず、CTPの導入を決めました。色校正用には、インクが染料から顔料になった Kaleidaの最新モデルと、さらに上位のDDCPとして、SPEEDPROOF 9000。これら一式を、今年(平成16年)7月に導入することにしたんです。
ただ、CTP化を実施する前提として、色管理の体制が固まっていなければなりません。そこで、まずi-ColorQCで印刷機の状態を解析して色再現を安定させ、それを前工程にフィードバックして、自社の色基準が決まった段階でCTPを本格稼働させる、という段取りを組みました。1回目の印刷診断を今年5 月、2回目の診断をその約1ヵ月後に受け、7月末には一貫した色基準上でCTPワークフローを本格稼働させることができました。
橋本部長
一般的に、CTPを導入してからi-ColorQCで色基準を作る、というケースが多いと思いますが、先に色基準を確立してからCTPを入れたほうが効率的だろうと考えたのです。実際、一連の新設備を導入するまでに全工程の問題点を洗い出すことができたので、CTPの立ち上がりは非常にスムーズでしたね。他のディーラーさんが、あまりの早さに驚かれていたほどです。
佐藤部長
i-ColorQCの印刷診断では、網点の出方などを、詳細に数値で評価してもらえます。1回目の診断は、正直、結果を見るのが怖かったんですが、古い機械に若干バラツキが見られる程度で、予想したよりずっと良好なものでした。問題点は項目ごとのきめ細かなご指導によって改善し、2回目の診断でほぼ許容範囲に収まりました。印刷機の診断は今後も定期的にお願いするつもりですが、これは非常にありがたいサポートだと思っています。外側からの点検は誰でもできますが、内部的な細かい解析は、自分たちではなかなかできませんからね。


体系的な色管理体制を築くにあたって、苦労や戸惑いなどは?
三戸社長
それはまったく感じませんでしたね。何かわからない点があれば、FFGSの技術スタッフの方が、非常に分かりやすく、丁寧にご指導くださったので、現場の作業者も、何の戸惑いもなく受け入れることができました。
そもそも、「このままではいけない」ということをお客さまから気付かされて取り組んだ形でしたから、その大きな危機感も後押しになった。競争の激しいいまの時代、他社と比較されて「おたくの仕上がりはちょっと…」と言われてしまえば、その時点で「負け」ですよね。ですから皆、「生き残るために絶対必要なんだ」という思いで取り組みました。そして、色を安定させるにはここまできっちり管理していかなければいけないのだということを、各自、身をもって学ぶことができたと思います。
i-ColorQCの導入効果は?
佐藤部長
印刷に関して言えば、いままでとは比較にならないほど色合わせが楽になりました。以前は色校正に無理やり印刷の色を合わせていましたが、いまは逆に、印刷の色と合った色校正が出てきますからね。しかも、CTPによって網点の再現性が格段に高まったこともあって、品質は一目でわかるほどアップしましたし、刷り出しが早くなったおかげで、生産性も確実に上がっています。
橋本部長
つい先日、i-ColorQC導入から2~3日目に受注した仕事のデータを、試しに印刷してみたんです。前回の印刷物を一切見ずに、ベタ濃度の数値だけ合わせて刷ったのですが、びっくりするほど前回の色と一致しているんですよ。まだ導入して3ヶ月足らずですが、やはりi-ColorQCは“本物”なのだなあと、実感しましたね。
阿部工場長
もう一つ、今回の取り組みをきっかけに、部門同士の結びつきが強くなったということも言えると思います。たとえばDTP担当の者でも、データを作って終わりではなく、「最終的にどんな印刷物になるのか」に関心を持ち、仕上がりを確かめるために、印刷現場まで頻繁に足を運んでいます。そこで品質的に問題があれば、実際に目で見て実感することができますし、印刷オペレーターとのコミュニケーションも図れる。こうしたことが自然に行なわれるようになって、現場の雰囲気がだいぶ変わりましたね。
クライアントからの評価は?
阿部工場長
以前はよくあった色校正でのクレームが、ほとんどなくなりました。いまでは営業も自信を持ってお客さまに色校正を提示できますし、その色を印刷で確実に再現できるようになったので、色校正に対しても、最終仕上がりについても、高い評価をいただいています。
三戸社長
これはやはり、新しいKaleidaやSPEEDPROOFの抜群の再現性と、基準に基づいた体系的な色管理との相乗的な成果だと思います。


i-ColorQCの成果を活かした今後の展開は?
阿部工場長
差別化の一環として、高精細印刷に取り組んでいきます。すでに、Co-Re SCREENINGのソフトをインストール済みなので、i-ColorQCによる色管理が100%確立できた時点で採用に踏み切り、現状の175線を 200線、300線へと発展させていく予定です。さらに、その次のステップとして、TAFFETAによるFMスクリーニングも視野に入れています。
三戸社長
モニタープルーフも、環境が整い次第、導入しようと考えています。現時点ではまだ、川上に改善要素が残っていますが、これらが全部クリアできれば、非常に有効なシステムとして使えると思います。今すぐにでも採用したい、大変魅力的なツールです。それにしても、i-ColorQCを通じて、お世辞抜きに「FFGSさんのサポート力はすごい!」と思いましたね。ここまでの解析力、きめ細かい技術指導は、他社からは得られないでしょう。今後も、新しいシステムを入れるときには、的確なアドバイス・ご指導をいただけると思いますので、とても心強いです。


